用語解説 か行
この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。
がん登録推進法(2015年03月号掲載)
議員立法により2013 年12 月6 日に成立した法律施行は2016 年1 月。医療機関にがん患者の全数登録を義
務づけている。その必要性は早くから指摘され、都道府県、地域によっては実現しているが、全国的に統一した運用
がされておらず、他の先進国に比して相当遅れをとっているとされてきた。
本法の成立により、国の責任で全数登録を義務化し、一元管理の下でがん対策が運用される。法が施行されると、
登録漏れの解消、希少がんの把握、生存確認調査の効率化が可能となり、より正確なデータに基づくがん対策が実
現するものと期待されている。
医療機関は登録データベースに、「1. がんに罹患した者の姓名、性別、生年月日」「2. 届出を行った医療機関名」
「3. がんと診断された日」「4. がんの発見経緯」「5. がんの種類及び進行度(転移性のがんに係る原発性のがんの種
類及び進行度が明らかではない場合にあっては、その旨)」「6. 2 の医療機関が治療を行っていれば、その治療内容」
「7. 3 の日における居住地」「8. 生存確認情報等〔現状の地域がん登録の登録項目と同様の項目を想定〕」を登録する。
厚生労働省は今後、法の施行に向けて登録の指針や運用マニュアルの作成に取り組む。国民のがん登録に関する
認知度はまだ低く、普及活動も重要になってくるとみられる。