用語解説 か行
この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。
コンペンディア(2013年01月号掲載)
英語のCompendiumの複数形Compendiaのこと。概要、要約を意味するが、医薬品に関しては「医薬品情報集」あるいは「医薬品処方指針」などの意味で使用される。
米国の公的保険メディケア・メディケードの当局で公的保険で償還する薬剤を決定するメディケア・メディケードセンター(CMS)は1993年、議会の指示により、適用外の医薬品であっても保険償還を認める抗がん化学療法・生物製剤として、当時存在していた3つのコンペンディアを参照して、使用を認めることを決定した。
現在、CMSが適用外使用について「理にかなっていて必要」と判断する条件は、①一つ以上の認定コンペンディアに記載されている、②認定された専門家同僚評価(ピアレビュー)雑誌に記載されていること、とされている。
認定されたコンペンディアには現在、AHFS-DI、NCCN DRUGS and Biologic Compendium、DRUGDEX、Clinical Pharmacologyの4集、また認定された学術雑誌はニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンやランセットなど18誌に及ぶ。
この方式を採用すれば、わが国で問題にされている抗がん剤などのドラッグラグの解消に役立つ、との声が出てきた。その一人、独立行政法人国立がん研究センター理事長の堀田知光氏は、用法や用量が明らかに異なる適用外使用は治験を原則とし、先進医療評価制度を弾力的に運用するなどを条件にすれば、現法体系下でも適用外使用は可能である、としている。