用語解説 さ行
この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。
ソーシャル・キャピタル(Social Capital)(2011年03月号掲載)
社会学、政治学、経済学、経営学などで用いられる概念。直訳すると「社会資本」となるが、わが国では社会資本は、道路、電気、ガス、水道など都市基盤のようなハードな資本を意味するので区別する必要があり、「社会関係資本」の訳語を当てるのが適切とされている。
ソフトな資本を個人と社会に分けて考えると、個人についてはヒューマン・キャピタル(人的資本)という用語が使われているのに対し、ソーシャル・キャピタルは社会の関係、つまり人間関係や社会(コミュニティ)の結びつき、ボランティア組織やNPOの活動として捉えることができる。
保健、医療、福祉の分野では、ソーシャル・キャピタルが重要な意味を持つ。この分野では、現に数多くのNPOやボランティア組織が活動していることからも明らかなように、健康づくりに果たす住民組織の力は不可欠なものとなりつつある。厚生労働省の地域保健対策検討会も基本指針を作成するに当たって、ソーシャル・キャピタルの活用を大きな課題としている。