用語解説 な行
この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。
ナースプラクティショナー(2009年01月号掲載)
診療看護部のこと。つまり一定範囲で医療行為が行える看護師のこと。
米国で1970年代に医師不足、とりわけ極端なプライマリケア医不足を緩和するために、フィジシャンズ・アシスタント(補助医師)とともに誕生した。この医療職種は現在でも存続しており、ワシントン州やアリゾナ州では医師の指示なしで患者の診療を認められており、カリフォルニア州やマサチューセッツ州では、医師の監督下で診療することが定められている。
わが国では医師不足対策の一つとして看護業務範囲の拡大が提案され、ナースプラクティショナーの養成が急浮上してきた。
大分県立看護科大学は2008年4月から、老年と小児医療の分野でナースプラクティショナーの養成を開始した。同大の「プロトコール試案」によると、看護アセスメントのうえで、血液検査や尿検査をナースプラクティショナー主導で実施し、初期診療が必要と判断される場合、医師に診断を依頼するほか、ナースプラクティショナーが説明・指導することにしている。同大と臨床研修指定病院の(医)敬和会大分岡病院は昨年11月11日、同大卒業のナースプラクティショナーが医療行為が行える特区を国に申請した。
このほか国際福祉医療大学大学院、国立病院、聖路加国際病院も同様の看護職種の養成を目指している。
なお、韓国では処方権を与えられた「保健診療員」がすでに活動している。