用語解説 は行
この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。
プライマリ・ヘルス・ケア(Primary Health Care ,PHC)(2013年08月号掲載)
疾患別・臓器別の専門医療や入院医療に対する用語で初期医療、1次医療を指す。わが国ではプライマリ・ケアと呼ぶことが多い。医療の9割はプライマリ・ケアで賄えるとされているが、わが国の医療は、自由開業・自由標榜制とフリーアクセス(自由受診)の原則のもと、1次医療と2・3次医療が混然として発展してきたために、プライマリ・ケアが十分に認識されているとは言えない。国際的にみると、PHCの概念は1970年代にほぼ確立され、1980年代に入って各国で体制作りが始まり、制度化への取り組みは今日でも続いている。
WHOとユニセフは1978年、旧ソ連下のカザフスタン共和国アルマ・アタ(現アルマティ)で、第1回プライマリ・ヘルス・ケア国際会議を開き、10条からなる「アルマ・アタ宣言」を採択した。その第6条でPHCを次のように定義している。
【アルマ・アタ宣言・第6条】プライマリ・ヘルス・ケア(PHC)とは、実践的で、科学的に有効で、社会に受容されうる手段と技術に基づいた、欠くことのできないヘルスケアのことである。これは、自助と自己決定の精神に則り、地域社会または国家が開発の程度に応じて負担可能な費用の範囲で、地域社会の全ての個人や家族の全面的な参加があって、はじめて広く享受できうるものとなる。PHCは、国家の保健システムの中心的機能と主要な部分を構成するが、保健システムだけでなく、地域社会の全体的な社会経済開発の一部でもある。PHCは、国家保健システムと個人・家族・地域社会とが最初に接するレベルであって、人々が生活し労働する場所になるべく接近して保健サービスを提供する、継続的な保健活動の過程の第一段階を構成する(訳はウィキペディアによる)。