用語解説 か行
この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。
介護療養病床(2010年11月号掲載)
2001年の医療法改正で新たに定めた病床区分の「療養病床」のうち、介護保険の適用を受ける病床。
介護療養病床には必ずしも医療サービスを受ける必要がない患者が入院している状況から、厚生労働省は2005年12月、医療の必要性の高い患者は医療療養病床に、低い患者を介護療養病床に誘導したうえで、介護療養病床は2011年度末で廃止する方針を打ち出し、2006年6月の医療制度改革関連法の成立で廃止が確定した。
ところが、小泉内閣の医療費適正化策のもとで出現したこの廃止案には、当初から現場の戸惑い、反対が根強く、2009年の政権交代後は、その傾向が一層強まってきたことから、長妻昭前厚労相は昨年11月、衆院予算委員会で削減計画を「凍結する」と表明、また10月8日の衆院厚生労働委員会で、2011年度末に廃止する方針を見直す考えを明らかにしていた。
介護療養病床数は2005年当時13万床とされていたが、2010年3月末には病院で8万3,000床、診療所で5,400床存続している。厚生労働省が対象施設について転換意向を調査したところ、同年4月時点で「未定」が61%を占めている。