用語解説 は行
この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。
働き方ビジョン(2017年06月号掲載)
厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が4 月6 日にまと
めた報告書(ビジョン)を指す。時代に即応した医療従事者の働き方を確保するための指針となる。
検討会は医療を取り巻く環境の変化を、需要側、供給側、テクノロジーの進歩の観点から検討し、①勤務形態
の変化、②医療従事者のキャリア形成、③医師の偏在対策、④業務範囲の見直し、などから成る報告書をまとめ
た。盛り込んだ具体的提案の主な項目は次のとおり。
● 短時間労働や時差勤務、勤務時間のインターバルの確保 ● 医療勤務環境改善支援センターの抜本的強化 ● 臨床
研修の病院指定、定員等の権限を国から都道府県に移譲 ●プライマリケアを担う総合診療専門医の育成 ●臨床研
修に外科・産婦人科を必修とすることを検討 ● 外来医療を地域医療構想に加える ● 自由標榜の仕組みを見直す
●医師に限定された医行為を他の医療職種に拡大する(タスクシフティング/ タスクシェアリング)●看護師対象の
特定行為研修制度を拡充し、「診療看護師」を創設する ●医師が出した処方せんで何度でも調剤が受けられる「リ
フィル処方」を認める ● 諸外国で実施しているフィジシャン・アシスタント(PA、補助医)を創設する ● 厚生
労働省内に「ビジョン実行推進本部」を設置し、5 ~ 10 年程度の政策行程表を作成
なお、医師需給偏在対策はもともと「医療従事者の需給に関する検討会」で議論していたが、「働き方ビジョ
ン検討会」の審議期間中、議論を中断しており、この報告書に基づき今後のあり方を検討していく。