用語解説 さ行
この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。
在宅死(2017年07月号掲載)
文字どおり、病院や施設でなく、自宅で人生の最期を迎えること。近年、自宅死が極端に少なくなっていること、
地域差があることが問題視される。地域差の理由としては、在宅医療の整備が遅れていることも指摘されている。
厚生労働省が2016 年7 月に発表した、人口動態調査を基にした初の在宅死の市区町村別集計によると、人
口5 万人以上の自治体で2014 年に死亡した者のうち、在宅死は5.5 ~ 25.6%で、最大約4.7 倍の開きがあっ
た。また、在宅死の割合が最も低かったのは2005 年の全国平均12.2%で、2014 年も12.8%にとどまった。
同省によると、兵庫県豊岡市(在宅死割合25.6%)や神奈川県横須賀市(同22.9%)など、在宅死が多い自
治体はおおむね24 時間対応の「在宅医療支援診療所」が整備されているなど、在宅医療の整備状況が在宅死の
割合に反映しているとされている。ちなみに同診療所が存在しない自治体は全体の28.0%、訪問看護ステーショ
ンが整備されていない自治体は29.7%に及んでいる。
在宅死のうち、誰にも看取られることのない「孤独死」の割合は明らかでない。医療体制ばかりでなく、見守
りの体制づくりも急がなければならない。