用語解説 た行
この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。
地域医療支援センター(2010年12月号掲載)
医師の地域的偏在を解消することを目的とした厚生労働省の新施策。2011年度予算要求の特別枠に盛り込んだもので、現段階では「仮称」と称している。
構想によると、支援センターは都道府県の中核病院に設置し、そこに若手の医師をプールして、キャリア形成を支援しながら、医師不足地域に医師を派遣する。そのために実働部隊として、専任医師2名、専従事務職3名を配置する。設置場所は都道府県立病院や大学病院などとする。
支援センターの役割は、①都道府県の医師不足の状況を個々の病院レベルで分析し、優先的な医師配置を判断、医師のキャリア形成上の不安を解消しながら、大学と調整のうえ、プールした医師を地域の医療機関に配置する。②医師を受け入れる医療機関に対し、医師が意欲を持って着任可能な環境を作り、指導・支援する。また、公的補助金の決定にも参画する権限を付与する。
具体的な業務内容は、①医師の適切配置のための特別な分析、②人材プールの中から医師を医療機関に配置するとともに、大学(医局)への働きかけ・調整をする、③キャリア形成の支援、④配置のキャリアに応じた学びの機会(研修会・学会出席など)を提供、⑤情報発信、関係機関との協力関係の構築などを行う。
専任スタッフは、医療の内容がわかっていることは当然として、地域の医療事情に通じている必要があるため、中核病院の臨床医を兼務しながら、指導・支援に当たる手もある、としている。
ちなみに、厚生労働省は支援センターの運営費として約17億円を計上している。