用語解説 あ行
この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。
安心と希望の介護ビジョン(2009年01月号掲載)
厚生労働省の「安心と希望の介護ビジョン」会議が2008年11月20日にまとめたビジョン。2025年を見据えて取り組むべき介護の施策を具体的に提言している。同年8月27日にまとめた「安心と希望の医療確保ビジョン」と一対をなすもので、厚生労働省はこの2つのビジョンに沿って今後の医療・介護政策を展開していく。
会議のまとめでは、「安心」と「希望」の実現に向け、次のように3つの実現すべきことをビジョンとして掲げている。
まず、高齢者の増加を、即ちマイナスと捉える基本的な発想を改める必要がある。
二つ目に、例え介護が必要となっても、住み慣れた自宅や地域に住み続けるために、高齢者の生活を支える介護の質を一層高めていく必要がある。
三つ目に、介護従事者が働きやすく、介護の仕事に誇りとやりがいを持って生き生きと取り組み続けていくことができるための環境整備に取り組む必要がある。
取り組む施策としては、第一に高齢者自らが安心と希望の地域づくりに貢献できる環境づくりとして、①コミュニティ・ワーク・コーディネーターの輩出、②地域包括支援センターのコミュニティ支援機能の強化をあげている。第二に介護の質の向上に関しては、①24時間、365日介護の早期実現などの基盤整備、②医療と介護の連携強化など5項の施策を掲げている。第三に介護従事者の安心と希望の実現のために、①介護従事者の処遇に関する情報の公表、②介護従事者の働く環境の整備、③介護従事者の確保・育成を取り上げ、それぞれの具体策を列挙している。