用語解説 さ行
この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。
産業構造ビジョン2010(2010年07月号掲載)
経済産業省が6月3日にまとめた今後の政府の産業政策の骨格となる報告書。今後、戦略的に取り組み分野として「医療・介護、健康、子育てサービス」など5分野を挙げており、政府の新成長戦略の柱に位置づける。
同ビジョンは、これまで自動車産業に依存してきた日本の産業構造を「1本足打法」と表現し、今後は多様な分野が成長を牽引する「八ヶ岳構造」に転換する必要を強調している。
医療・介護分野については、医療・介護機関と関連サービスの連携を強化することにより、医療や介護、高齢者への生活支援の関連産業を拡大する戦略を打ち出し、公的保険への依存から脱却する必要を強調した。
経産省は今年度中に関係機関やサービス事業者、連携推進のためのコーディネーターが参加するコンソーシアムを組織し、制度改正や環境整備に関して厚生労働省と連携して課題の解決に当たるとしている。
同ビジョンではさらに、医療分野でのIT化に関して、健康、医療・介護情報で標準化すべき項目の整理や標準準拠電子カルテの導入促進支援が必要と指摘。医療ツーリズムも「大きな成長分野」とし、医療サービスの内容や外国人患者の情報を共有化するほか、専門用語に精通した通訳の育成など、外国人患者の斡旋機能の整備、医療滞在ビザの創設などを提言している。