用語解説 さ行
この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。
終末期相談支援料(2008年08月号掲載)
後期高齢者医療制度の実施に伴い、本年4月の診療報酬改定で新設した点数。その後、この点数設定に対する不満が表面化し、参院で後期高齢者医療制度の廃止法案が可決されたことから、与党の要請により舛添厚生労働大臣が終末期相談支援料の凍結を6月25日の中医協総会に諮問し、諮問どおりに答申された。凍結は7月1日から。中医協では今後、終末期医療の調査・検証を速やかに実施し、「算定の再開を含めた総合的な議論」に着手する。
この相談支援料は「患者が、本人の納得のいく治療方針で、尊厳と安心をもって充実した環境の中で残された日々を過ごすことができるようにすることを目的としたものである」(答申書)。その内容を文書にまとめた場合を評価するもので1回につき2,000円。医療費の抑制を目的としたり、患者に対して意思の決定を迫るようなものではなく、患者の自発的な意思を尊重するものであるにも関わらず、「その趣旨・内容が国民に十分周知されず、国民に誤解と不安を与え、その結果として、算定凍結の措置を講ずるに至ったことはやむを得ないこととはいえ、誠に遺憾である」としている。全く異例の答申である。
異例といえば、「今回の措置は、国民の理解を得るための努力不足がその大きな原因となっている。厚生労働省は、再びこのようなことが起こることがないよう、診療報酬改定を行うに当たっては、その趣旨や内容を国民に対して十分に説明するものとするほか、誤解を生じさせるような指摘等に対してはしっかりした対応をとることを強く望むものである」と当の厚労省にも注文をつけていることである。国民の理解をどのようにして得るかが、この相談支援料の存続に大きく関わってくるといえよう。