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用語解説 か行

この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。

高額薬(剤)(2016年11月号掲載)

保険診療で使える高額な薬剤のこと。金額についての厳密な定義はない。高額薬が保険財政を著しく悪化させる恐れが出てきたため、臨時の薬価引き下げばかりでなく、使用対象患者や医療機関などのガイドラインづくりが政策日程に上っている。

高額薬問題の引き金となったのは、免疫チェックポイント阻害薬の「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)。2014 年9 月の発売当初、悪性黒色腫に限られていた適応が、2015 年12 月に非小細胞肺がんに拡大されたことから、対象患者が急増。その患者10 万人強のうち5 万人に使用すると、それだけで年間1 兆7,500 億円の医療費がかかる、との試算が公表されたことから、高額薬に対する論議が一気に高まった。

オプジーボばかりでなく、2015 年に発売となったC 型肝炎治療薬「ソバルディ」(ソホスブビル)と、「ハーボニー」(ソホスブビルとレジパスビルの配合薬)も、12 週間投与で500 万円を超える高額薬として問題視され、「特例拡大再算定」(予想を超えて販売額が拡大した医薬品の価格を最大限50%引き下げる)を導入するきっかけとなった。また、脂質異常症に対する抗体医薬「レパーサ」(エボロクマブ)もやり玉に挙げられた。1 キット2 万3,000 円、2 週間1 回投与で、投与期間が長期に及び、医療費を著しく膨張させることが問題になった。

厚生労働省はオプジーボの薬価を、2018 年度の診療報酬改定を待たず、2017 年4 月に引き下げる方針を固めた。また、オプジーボとレパーサを対象に、使用が最適だと考えられる患者の選択、適切に使用できる医師・医療機関の要件を定めた「最適使用推進ガイドライン」を策定する。

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